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W002 方向・方位と針路 [用語解説]

今日は雨で講習会が中止になったので、用語解説第2弾です。

ヨットのみならず海上での見張り(ワッチ)は大切ですが、発見したものをスキッパーやヘルムスに伝えるためには、その方向が必要になります。

よく使用される方法としては、船首を12時、船尾を6時と置き12時間時計の文字盤に例えて方向を伝える方法で、「3時から漁船横切り、5時方向パワーボート同航追い越し」などと言います。
これは、他の人に場所を伝える時にもよく使用され「10時方向に見える煙突のすぐ左側」などと言ったりもします。

これをクロックポジションと言いますが、ヨットなどの移動体では相対的な方向表現で、針路が変われば対象の方向も変わってしまいます。
WS000000.JPG従って風の吹いてくる方向や針路を表す時は通常、左表の32点法(ポイント法)の絶対的な方位を使用し、北北東[NNE]の風4m/secやコース・サウス・バイ・ウェスト[S/W]というように表します。

もっとも、風は振れるので色の付いた16点で表すのが一般的ですし、針路についても360°表示のコンパスやGPSの普及で、000~360までの3桁の数字で°は付けず、045(45°,北東)のように表すことが一般的になりました。
ちなみに、時刻は国内の場合日本標準時[JST]を、外国へ行くような時はグリニッジ標準時[GMT]を24時間表記の4桁の数字で1345(13時45分)のように表します。

しかし、この360°法にはT・M・Cという落とし穴があります(ポイント法でも同じことが言えるのですが、区切りが大雑把なので・・・ヨットには本来こちらの方が向いています!)。
Tは真方位、Mは磁方位、Cはコンパス方位のことで、磁方位は場所によって真方位との差(偏差)があり、コンパス方位は使用するコンパスごとに磁方位との差(自差)があります。

海図でコースを設定したり航跡を記入する場合、真方位[T]を使用するのが原則ですが、ヨットの場合は磁気コンパスを使用する艇が殆どですので、M085(磁針路85°と言う意味)というように磁方位[M]でコースを表し、実際の針路は自差を加味してコンパスで定めます。

コンパスの自差(磁方位との誤差)は、金属性の艤装品等に影響され艇の向いている方角により異なるので、長距離を航海する場合は自差表などを作成して修正しないと大きくコースを逸れてしまうこともあります(海流や風下へ流されるリー・ウェイも影響するので実際は自差だけの問題ではありませんが)。

最近はGPSが普及しているのでこの落とし穴は埋められてしまい、チャートワークを行わなくなってきているのが現状ですが、外洋を航行する場合、電池切れや故障しても困らないよう定期的に現在位置を海図上にプロットしておく事は大切だと思います。

W001 距離と速さ [用語解説]

年頭所信表明(大げさな!)のとおり、ヨットで使用される用語の解説第1弾として、距離と速さについて取り上げてみたいと思います。

日常生活では距離と速さはメートル法を用いて表現しますが、ヨットでは距離はマイル、速さはノットを使用します。

ヨットで単にマイルと言った場合は、ノーティカル・マイル(nautical maile)を指し、n.m.(nm)と略記します。陸上の距離の単位として使われるヤード・ポンド法のマイル(mi,ml)とは異なり、日本語では海里(浬)と言います。

この厳密な定義は、その場所の子午線の曲率円の中心における角度1分に対する曲率円の弧の長さ(地理緯度1分に対する子午線の弧の長さ)ということになりますが、要は同じ経度における緯度1分の距離ということです。
子午線の子午とは、方位を十二支で表した時の北(子)と南(牛)ということで、北極点と南極点を結ぶ地表上の線(弧)ということになります。

よく何キロ?と聞かれるのですが、地球は真球ではないので「緯度により異なる」というのが正確な答えになるのですが、それでは困るので1n.m.=1.852kmと定められています。したがって逆は真ならず、1.852kmが1nmということではありませんので注意が必要です。

付け加えるとすれば、メートルは子午線1象限(90°)の弧の長さの1/1,000万を1mと定めたので、10,000km÷90°÷60'≒1.852kmで求められることと、あくまで緯度1分であり経度1分の距離は赤道上以外緯度が上がるに従い短くなるためマイルではないということです(北緯35°に於ける経度1分の距離は、10,000km×cos35°÷90°÷60'≒1.517kmになってしまいます)。
これは、海図上で距離を測る場合、ディバイダー(コンパスに似た両側が針のやつ)を緯度線(南北)に合わせて読まないと距離が測れないということにつながります。

一方の速さの単位であるノット(knot:kn.と略記)ですが、これは1時間に1マイル進む速さ、言い換えれば時速1マイルを1ノット(1nm/h=1kn)と言いますので、時速1ノット(1kn/h=1nm/h/h)と言うのは大きな間違えです。
時速1キロメートル(1km/h)とは言いますが、時速1km/h(1km/h/h)とは言いませんよね!これではh二乗の加速度の単位になってしまい、走り続ければ宇宙に飛び出してしまいますもの!

注意が必要なのは、単にノットと言った場合は、通常対水速力のことであるということです。海には海流や潮の干満による流れがありますので、陸に対しての速度とは異なります。
陸標に対する絶対速度は、対地速力何ノット(GPSに表示される速度はこちらです)と言いますが、対水速力6knだったとしても4knの反流があると対地速力は2knになってしまいます。
伊豆諸島の利島周辺など潮の流れの速いところでは、水に対しては前に進んでいるのに島に対しては後ろに下がっている(対水+対地-)なんてこともある訳です!

ノットの由来は、帆船時代、船の速度を測るために板を結びつけたロープを船尾から流し、一定時間に流れ出たロープの長さを、そのロープに結びつけた細いロープの結び目の数で測ったことから、結び目を表すノットがつかわれるようになったと言われています。
ちなみに、もっと昔は船首から木片(log)を流して速度を測ったことから、船の速度を測ることをログをとる、そしてそれを日誌に書き込むことから、航海日誌をログブックと言います。

風の速さは秒速1m(1m/sec)などと言いますが、海上保安庁から提供されているMICSなどでも使用されていますしヨットの世界でもよく使用されます。
2倍にすると実用的に問題ない範囲で簡単にノットに換算できるので、ノットも使われます(国際的にはノットが主流で、逆に1/2にすればm/secになります)。
ヨットの舷側を流れる泡が1秒間に何メートル流れるかを測って2倍すれば、それがノット(対水速力)になるのでこの関係はなにかと便利ですし、慣れれば0.5kn以内の誤差で艇速を目測することがでるようになります。

細かい話は抜きにして簡単にまとめると、東京夢の島マリーナから保田漁港まで海図上の予定航路をディバイダーで測り、緯度線で見ると35分に相当したとすると、距離は35マイル、平均対地速力7ノットで走れば5時間で着くというようにとても便利だということですね!

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