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にっぽん丸 10/7/20 瀬戸内海 [乗船記]

0045、ネプチューン・バーからキャビンに戻り、TVに表示される現在位置を見ながら関門海峡に近づくのを待つ事にした。

100720_3.jpg0220、いよいよである。関門海峡の入り口手前にある六連島の東側すぐ脇を通るようなので、キャビンを飛び出しプロムナードデッキへと上がった。

この六連島沖は、父が太平洋戦争中に乗っていた駆逐艦「朝顔」が自力座礁したところなのである。
姉妹艦が全て沈没・撃沈される中、唯一終戦まで生き残ったにもかかわらず、終戦の一週間後に、下関周辺を掃海中に触雷、沈没を避け乗員を救うべく、艦長が自力座礁を選んだそうである。
艦長のこの判断が異なれば、あるいは、私はこの世に存在していなかったかも知れないという現場なのだ。そんな思いを噛みしめていると、父の思い出と共に、なぜか熱いものが込み上げてきた。

しかし、その思いにじっくりと浸っている暇も無く、大きく左に旋回したかと思うと、間もなく船速が落ち始めた。関門海峡に差し掛かったのである。
船首側デッキの最前列に(この時点では、まだ誰も居なかったが)陣取り、次々と現れる導灯を頼りに、最狭部である関門橋へと慎重に進んで行くのを、固唾を呑んで見守った。

0320、関門橋の下を無事通過、夜間だったこともあるが、想像以上に狭く感じた。海峡を抜け終えるまでの間に10隻の反航船があったが、殆どが中型船だったためか、それほどの緊張感は味わえなかった。しかし、これが大型船ばかりだった場合を想像すると、手のひらが汗ばんできそうである。

さて、本日最初のイベント?は無事終了したので、キャビンに戻りベッドに潜り込む。0800に目が覚めると、そこへ、昨夜問い合わせていた松山沖の航路について、中島と興居島の間を通るとの知らせが届いた。
その旨[りょうちゃん]さんに携帯で連絡すると、その航路上で既に待ち伏せているとのこと、どんな出会いになるのかが楽しみである。

100720_9.jpgまだ時間があると思い食事をしていると、0835、窓の外に突然セイルが見えたので、あわててプロムナードデッキに出てみると、メインのみの機帆走で後を横切ろうとしていた。
どうやら、[りょうちゃん]さんの「風太郎」YAMAHA-30Sではないようでホットして戻ろうとすると、妻もデッキに出てきてしまったので戻ることもできず、結果として、朝食を途中で終えてしまうということになってしまった・・・

仕方ないので船首に移り前方を見つめていると、0845、前方遥か、微かにセイルらしきものが見えた!

100720_1.jpgしばらくするとみるみるうちに近づき、こちらが追い越す形で、0857ほぼ真横に並ぶ。
顔までは確認できなかったが、艇はY-30S、「風太郎」に間違いなく、[りょうちゃん]さんが手を振ってくれているのがはっきりと見える。

携帯で連絡を入れ、こちらの位置を伝えるも、[りょうちゃん]さんからこちらを見つけるのは難しいようだ。しかし、そのやり取りを聞いていた周囲の乗船客からは、「お友達のヨットなんですか?すご~い!」と、一躍注目の的になってしまった。

「風太郎」を追うように、写真を撮りながら船尾のデッキまで移動した。照りつける日差しにも負けず、[りょうちゃん]さんへの感謝の気持ちで小さくなる帆影を見守っていたが、1013、とうとう見分けがつかなり、初の洋上ミーティングは大成功で終わりを告げたのであった。

今朝の船長のアナウンスでは、視程が悪く大型船の通行停止となっていた来島海峡もどうやら通れるようになったようで、「にっぽん丸」は来島海峡大橋に針路を取っていた。

100720_4.jpg手前の小島を回り込むようにして、1041、馬島の四国側から来島海峡大橋をくぐる。次の瀬戸大橋をくぐれば、今度は高松沖で海遊人さんとのミーティングだ!

予定では1400頃瀬戸大橋通過となっているので、点在する島々を見ながら今度はゆっくりと昼食をとり、ラウンジやキャビンで瀬戸大橋までの景色をタップリと楽しむことにした。

1335、キャビンの窓から粟島が見えたので、備讃瀬戸南航路に入ったようである。ふたたびプロムナードデッキに登ると前方に瀬戸大橋が見えている。

100720_5.jpg1355、本日3つ目の橋となる瀬戸大橋を通過し、小与島と小瀬居島との間を抜けると、小型船舶操縦士免許のテキストには、東京湾浦賀水道航路と並び必ず出てくる備讃瀬戸東航路に入る。

大槌島と小槌島の間を抜けると、男木島、女木島が見えた。男木島を回れば、いよいよ本日二回目の洋上ミーティング、今度は、高松の[海遊人]さんが待ち受けてくれている筈だ。

目を凝らし、前方を見つめていると、1507、スターボードタックのメインとトランサムが見えた。ということは、航路の南側に沿うようにして東進しているようだ。

100720_2.jpgこちらは備讃瀬戸東航路内のため、やや距離があるが1519、ほぼ真横に並んだ。スタンに立ち上がり、右手でティラーエクステンションを操作しながらこちらを向いている[海遊人]さんが見える!
やった!2度目の洋上ミーティングも大成功である!おもいっきり手を振るが、やはりこちらを識別することは不可能であろう。それに、考えてみれば携帯番号の連絡もし忘れていたのだった。

あっという間に横を通り過ぎると、[海遊人]さんは、メインをシバーさせ停船してこちらを見送ってくれているように見えた。今度も船尾のデッキから、[海遊人]さんに感謝の気持ちを込めて1530まで帆影を見つめていた。

こちらは言わば船長任せの一本道である。絶好の位置とタイミングで待っていて下さった[りょうちゃん]さんと[海遊人]さんの技量を賞賛すると共に、改めてお礼を言いたい。
おかげで妻も、お二方にスペシャル・プライベート・イベントをプレゼントいただいたようなものと、大変喜んでいた。どうやら少しは、ヨット乗りの凄さと素晴らしさを理解してくれたようである。

「にっぽん丸」は、何事もなかったかのように備讃瀬戸東航路を抜け、他の乗船客にとっては本日最後の見所(私達にとっては単なるサブ・イベント?)となる明石海峡を目指し東進を続ける。

100720_6.jpg夕食の最終着席時間ぎりぎりの1751、明石海峡大橋を抜けると、瀬戸内海を後にすべく「にっぽん丸」は針路をゆっくりと南に向けて行く。

今日の夕食は今クルーズ最後のディナーとなるため、ドレスコードはセミフォーマルだ。天候にも恵まれ、徐々に暮れて行く夕日を眺めながら、美味しいフレンチのコースをじっくりと味わった。

徳島港沖でも、[ヘミングウェイ]さんが洋上ミーティングを企画してくれていたのだが、クルーの予定が合わず断念する旨、連絡をいただいていた。

100720_7.jpgその代わりにという訳ではないが、きれいな日没の風景が、瀬戸内海との別れを見送ってくれたのだった。

先ほども触れたように、今日は今クルーズ最後の夜となるため、船内では船長主催のフェアウェルパーティーに始まり、各種のイベントが目白押しである。

2315、私達は毎晩お世話になったネプチューン・バーで今宵を締めくくることにした。
昨夜、松山沖のコースを問い合わせた時、フロントからの連絡を取り次いでもらったこともあり、無事洋上ミーティングができたと報告するためにデジカメを持参してである。

100720_8.jpg小豆島沖でも、もう一つのミーティングがあったことを告げると、注文したドライマティーニに小豆島産のオリーブを添えてくれるという心憎い計らいをしてくれたのである。
写真のスタッフと雰囲気を合わせ見ていただければ、私が毎晩通った理由も少しはお分かりいただけるであろう。

ぜひまた訪ねたいバーがまた一つ増えたということになるが、いつでも来れる訳ではないところが少々残念なところである。

こうして未明に始まった瀬戸内海での一日は、私と妻にとって忘れることのできない特別な一日となったのであった。
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コメント 2

スコッチ3000

お~、森純ついに出た!(笑)

やはりベテランヨットマンの航海記は、ひとあじ違いますね。たっぷりと楽しませていただいております。

by スコッチ3000 (2010-07-22 10:14) 

hoota

おかげで、毎晩通う羽目に・・・このバー、カウンターでタバコが吸えないのが唯一の欠点
しかし、ポートサイドのボックス席3つは喫煙席になっていて、聞いたらパイプ党もOKということなので、2日間はそこでゆっくりとパイプを燻らせてました。

改めまして、見送りありがとうございました。色々情報もいただき、十分に楽しめましたよ。
by hoota (2010-07-22 12:00) 

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